おうなも歩けば

都の西北(にしきた)に暮らす若おうなの毎日から、 日々の新しい発見や気付いたことを、 写真と共に思い立ったときに書いています。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

研究者

曇りがちでも穏やかな季候というのはいいものです。

iPS細胞関連研究の件で、虚偽発表ではないかと話題になっている。
あれ、まず虚偽でしょ。

仕事柄、新たな研究が提示された場合の要件チェックは日常的に行う。
研究者と研究に対する基本的なチェック項目を持っていて、それで提示されたものを確認して進める。
それでみると、今回の研究者、少なくとも非常に怪しい。
というか「まず真っ黒だが、一応もしもの為に確認する」対象だと思う。

提示された研究の評価項目は、まずはその新規性、次がその信頼性、そしてその社会適用性。
これらが確認できた上で、「じゃぁ本当に社会に価値があるか」をチェックする。

今回のものは、見た目の新規性は一応ある。
で、信頼性。信頼性チェックとしては、
 ●その研究者が適正な背景(=その研究に至るだけの背景)を持っているか、
 ●研究が適切に検証されているか、そして
 ●他の研究者によって適切と評価されているか、
などがポイントとなる。
アカデミックな研究評価では第三の点を含むべきではないとも言えるが、ここではあくまでも「一般社会として研究を評価する場合」の考え方なので、当然「セコンドオピニオンが得られるかどうか」は重要。

この視点で今回の研究者を見てみると.....

日本の新聞のいくつかは2年ほど前からこの研究者のiPS細胞関連の研究を何回か取り上げている。
だから、読売新聞だけをバカだと決めつけるのはかわいそうかもしれない。

ただいずれにしても、この研究者の過去の論文を見ると、全く無関係のものばかり。

且つ、この人は博士号(工学系研究科先端学際工学専攻)を2007年9月に取得しているが、経歴には、博士号の
取得前から東大の先端科学技術研究センターの特任助教授(2002年~)、特任教授(2005)となっている。
あの東大で、博士号を持たない人が(特任であっても)教授ポストを得るには、それなりの学術以外でのかなりの経験や実績が必要とされるはず。
つまり、「この人の経歴は、研究者としてはまず見かけないルートを通っている。従って、この研究者の背景はかなり注意して確認すべき」となる。

これは「人を疑いの目で見るべき」と思うからではなく、研究者の背景を読み間違えると研究自体を理解し間違えるから、というのが主な理由なのだけどね。

で、今回の研究者は、この点で大いに真っ黒。特にメディカル系の研究で、これだけ関係ない研究しかしていない上に、医師免許も持たずに臨床応用の結果を発表している、という点を組み合わせれば、まずは「これ、マズイんじゃないのぉ」と疑いから入るべきだと思うんだけどねぇ....
それにあの記者会見の受け答えで見られるような曖昧さ、論理性のなさ。これも研究者の基礎理解をする上でさらにマイナス点をつけるべきなんだけどねぇ。

この研究者の云々よりも、新聞記者のいい加減さが責められるべきだわね、この話。
だって論文自体を学会の国際大会などに書いて提出することは、ある意味「書いたもの勝ち」の世界。
学会によっても違うかもしれないけど、基本的に、その発表論文に書いてある実験を実際に実施したかどうかは、その段階では確認されない。

それに加えて、この研究者が出した論文の共著になっている医科歯科大の教授もいい加減。
「論文のデータと考察の整合性を確認しただけ」というらしいが、これだけ学術的に新規なテーマである事、そしてこの研究者の経歴を知っていること、等を考慮すれば、自分の名前が権威付けに使われかねないことを想定してシッカリ内容を確認すべき。それが研究者としての社会責任のはず。
でも、この先生も、問題の研究者が修士号を取った際の指導教官らしくて、保険衛生学の先生。
この先生の経歴を見ても、臨床看護学的トピックのみ。どこにもiPS細胞研究に繋がるものが見あたらない。

なんとも責任感のない研究者ですねぇ。いわゆる「世間知らずの大学の先生」の典型。
今でもこういう研究者が残っているのかぁ~、と感心してしまう。まぁ、特に医学分野にはこういう世間知らずというかが多いらしいけどね。

以上、先週も同じようなテーマで意見交換をしまくっていたので、少し整理して書いてみました。
書いてみると、研究者としての経歴詐称はどこでもあることだけど、本人以外の情けなさも世界に向けて露呈させた出来事、という点が特徴かもしれないわね。

それにしても、この研究者、何をしようとしていたのだろうか?
研究職を渡り歩く日々を続け、ふと気づいたら40代も後半、何とか博士号も取ったが今一つ安定したポジションが取れないことにじれたのだろうか。
多少のハッタリが過去に使えたので、もっとやっても大丈夫と思ったのか。
「もう研究者としてはやっていかない」と発言していたが、そもそも経歴を見ると(この虚偽?の研究以外は)ほぼ補助的な位置づけでしか研究をしていない。というか、大した研究が出来るポジションにいない。
その状況にじれてやったのか?
まぁどうでもいいけどね。

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://wakaouna.blog92.fc2.com/tb.php/1499-32c7abd3
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。