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おうなも歩けば

都の西北(にしきた)に暮らす若おうなの毎日から、 日々の新しい発見や気付いたことを、 写真と共に思い立ったときに書いています。

空港にて

丸々一日を使って帰国。
コロンボの朝、途中のシンガポールの昼間の天気は、いつもどおり。
早朝に着いた東京は、思い切り冷え込んでいた。

シンガポール空港、3日前オープンの新ターミナル。
080113Changi第三ターミナル


以下、余りにショックを受けたので、長いまま。
ひどい言葉を使っていますが、ご容赦下さい。

シンガポール空港での乗り換え時間が非常に長く、
まだ誰もいない成田便のゲート前通路に、ずいぶん早くから行っていた。
他の乗り換え客も皆、本を読んだりお茶を飲んだり、静かな空間。

ゲートが開くまであと30分、という頃、突然、日本の若者の集団が押し寄せてきた。
軽く100人を越す、渋谷あたりにいそうな格好の10代後半。
学校からの旅行と思われる。

ひどかった。ひたすらひどかった。今からでも記憶も何もかもを修正して、
あんなものが世に存在しなかったことにしたい。
ひどかった。

他の乗客達がカートを押して移動している通路に、辺り構わず座りこむ。
数人の集団で円座を組んで、大声でキャアキャアと騒ぎ会う。
女の子達(真夏の服装)も、壁にもたれ、向かい合うベンチに座る他の乗客や
通行人に向けて足を開いて座り込む。
手拍子ではやしながらグループで歌ったり、全速力疾走で通路を競争して走ったり。

最近、海外で若者「集団」に会うと、鬱陶しい思いをさんざんさせられるが、
ここまでひどい、集団幼稚園のようなものにあったことはない。
いやそう言っては、行儀良く大人しく過ごしている幼稚園レベルの子供に失礼だ。

こんな痴呆集団を見たのは初めてだ。

あまりにひどかった。

これ以上傍にいてはイライラさせられるばかり、と、ちょうどゲートが開いたので
逃げだすべく移動し始めたら、ちょうど引率らしい大人がいた。
JTB(敢えて名前を出します)の担当者だった。

これがまた、痴呆集団の音響を上回る声で
「女子の第5班はこちらにあつまってください」と言った内容を、
空港の通路で怒鳴り回っている。

思わず訊ねた。
「なぜ、公共の通路でそんなに大声で怒鳴っていいんですか?」

すみません、と謝っていたが、痴呆の若者に、馬鹿の大人が
悪い見本を見せているだけなのを分かっているとは思えなかった。
(まぁ、あの集団を受け持った「教育研修担当」の悲惨さは理解するが。)

ゲートに入り、取ってあるフライトの座席が痴呆集団から離れていることを
カウンターで確認し、やっと落ち着いて座り込む。
(カウンターの女性に「あの集団から離れているかを確認したい」と言ったら、
 ”Oh, you mean THAT group!"との返事。分かってもらえてうれしいような...。)

当たり前だが、またこの痴呆集団にゲート内待合室が占領された。

あまりのことに、一番近くで騒いでいる集団に近づいて言った。
「周りに皆もいるところだから、静かにしてもらえないかしら」。
とりあえず「あ、はい」という返事が来たので、重ねて訊ねた。
「学校の旅行? どこの学校」
ひとりは「え、えぇと違います。ただの旅行です。」
他は「え、そうです、でも学校は....」。

痴呆なりに恥ずかしいと思っているのだろうか。

とは言え、一つのグループを押さえても、結果は推して知るべし。
余りにひどくなったところに、初めて学校側らしいの(男)が登場。
これがまたヘコヘコと「周りにウルサイからね、静かにね、もう少しだからね」と弱腰。

この引率が傍を通ったので、学校名を訊ねたが、情けなくも、
「え、その、いえ」と繰り返すばかり、
とうとう最後には「ちょっとすみません」と言って逃げ出していった。

逃げ出した先で、責任者らしい女性(やっと姿を現していた)に
相談しているので、これで多少でも環境浄化が図れるなら、と
とうとう諦めて、話をしに行く。
30分ほどのキチガイ騒ぎを放っておけない自分の馬鹿さ加減をとことん呪いつつ。

その女性は、校長と判明。学校は、神奈川県川崎市にある県立高校。

余りにひどいのではないか、との指摘に対して、
「はじめてなので」との表現を繰り返すこと数回。
学校の旅行なのに、注意もせずに放置しているのはなぜか、と訊くと、
「向こうの方に座っていたから」、とこれまた数回。

自分を高いところにおいてものを言うのが本旨ではないが、
言わせて欲しい。
教師も含めて、海外旅行とかの可能性を考える前に、
civilized personとは何かを考えてみてはどうだろうか。
civilizedもされていないのに、お金があるから、と海外に連れて行き、
傍若無人に振る舞うことを認め、何かを外部から言われると
大人すら、納得できる主張もできずに、ヘコヘコ謝まったみせる。
 (初めてだからやって良い、引率者として「向こう」に座っていていい、
  と公言する事は、責任ある人間のとるべき態度と私は思っていない。)
そんなやり方は、次の世代の教育にとって、百害あって一利なしではないだろうか。

日本人として恥ずかしい、との思いもある。
「国がどうとかじゃない、個人の問題だ」と言うなら言えばいい。
しかし、何と言われようと、私たちが「シンガポーリアンはこれこれ」と言うのと
同様に、国際的な動きの中で、日本は(そしてどのような国も)、
その全ての動きを総合して判断されているのだと、私は感じてきている。

こんな、周りのことを理解も出来ない人間を育てている日本として
周囲から(例えば今回の仕事のカウンターパートであるスリランカから)
どう見られるかを考えると恥ずかしい、との思いも、もちろんある。

だが、何よりも今後の日本の社会を背負う人間をこんな育て方をしていいのだろうか、
と思う。

私たちの社会が育てているのがこんな痴呆集団である、とは思いたくない。
こんなcivilizedされていない個人を育てているのが自分の属する社会である、
ということ自体が、とことん恥ずかしく、自分も含めて情けない。

今回の出張でも、何とか自分の国を前に進めよう、とする意気込みの人達に沢山出会った。
その人たちと互していける個人の育成と社会の維持を目指すためにも
今、私は、腹を立てるだけでなく、社会の構成員として何が出来るかを
考え直さなければいけないと思う。

すぐに何ができるかわからないし、日常生活の中で進めていくしかないだろうとも思っている。
普段は社会的活動にはタッチしないで生きている私だし、
今からだって、そうそう何かが出来るものでもないかもしれない。
でも何か考えなければ。

皆様からの、何をすべきか、についてのご意見をいただければ幸いです。

(追記)
見た目も余りに醜いし、どうしようかと思ったが、やはり一枚だけ、
この痴呆集団の雰囲気の一部を載せておく。
「こんな日本人を育てていて良いのか」との問題提起として。
080113醜い集団

通路壁際の一グループ。右端はJTB担当者。

本人が責任を持ってやっていることであれば、顔を隠す必要はないのかとも思う。
が、「個人としての責任感」を持たないことを今問題にしているので、
一応、身近な人間以外には確信できないだろう程度に隠しておく。

コメント

こんばんは。お帰りなさい。
仕事とはいえ、いえだからこそ、旅の終わりにひどく不愉快な思いをされて、お気持ちお察しします。
ひどいですね。日本人は幼稚だと常々思っていますが、幼稚さもここまでくると罪悪ですね。
こういった光景は国内でもよく見かけますが、それを野放しにしている私たち大人にも大きな責任はあるのでしょう。
親、学校、社会・・・どれもに問題ありでしょうね。
それらをどう変えていくか、は様々なところで問題提議されているものの、決定的な解決方法がみつからないままになっているような気がします。
私も身につまされることが多く、反省することもまた多いです。まず自分が変らないとだめかなぁ(^.^;)
何をすべきか、には言及できませんでした。ごめんなさい。

  • 2008/01/13(日) 22:39:50 |
  • URL |
  • すみごん #A1OWRWR.
  • [ 編集]

●すみごんさん、
早速のコメント、ありがとうございます。
何をすべきか、私も全く分かりません。
ただ、これではいけない、との思いは強烈です。
前日までいたスリランカで見た、今の状況を何とかしようという熱意、何かと通り過ぎるシンガポールでいつも強烈に感じる、世界的ポジションや相手の事をよく理解しようという姿勢とその上での対応力、などを見た後だと、もう余りの「人間」としての情けなさに、涙が出そうです。
これでいいのか、と言うばかりでなく、何かをしなければ、20年後にはみじめな三流国日本になるのではないか、と恐怖感すら覚えてしまっていて。

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  • 2008/01/13(日) 23:51:56 |
  • |
  • #
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  • 2008/01/13(日) 23:55:37 |
  • |
  • #
  • [ 編集]

お帰りなさい

若おうなさん お疲れさまでした。仕事でお疲れのところに、最後にえらい集団にぶつかりましたね。昔、いわゆる農協グループというのがいましたが、彼等はひんしゅくはかっても、迷惑はかけませんでしたね。この生徒たちは、ひどいね。学校名を出して、どこかへ公表しましょう。おっしゃる通り、海外に行くときは、個人としての自覚と相手国の文化の理解が初めにあるべきですね。なさけない。お怒りと、気温の変化で、体調を崩されませんように。

  • 2008/01/14(月) 10:21:49 |
  • URL |
  • 野浜波直 #-
  • [ 編集]

そろそろ平成生まれが社会に出てきますね。

PENTAX PEOPLE経由で読ませてもらっています。

度胸ありますね。
今の高校生に正論をぶつけても「アイツ、ムカツク」と陰口叩かれる場面が目に浮かぶのですが・・・。
下手をすれば逆ギレされますからね・・・。

引率の先生も、親に文句を言われるのが怖くて生徒を強く指導出来ないのでしょう・・・。

現状を良しと思っていないのは私も同じですが、仮にどこかに投書したとして「教養人とはかくあるべき」と主張しても、少数がそれを理解しても悪貨が良貨を駆逐してしまいます。

本物の認知症(痴呆)と同じように、一旦始まってしまった進行は止まりません。

私は、ある意味諦めています。道徳を教科化することもままならないようでは、お話になりません。主要5教科よりも、モノの善し悪しの方が大事だと思うのですが・・・。

「友達のような親子関係にあこがれる」みたいなバカ親が増えているのとまったく同根ですね!
単に子供に嫌われるのが怖いだけ。
そういうバカ親に育てられたバカガキがまた親になり、バカガキを再生産する、という悪循環。
どう考えても、現状の日本はまっとうじゃない。

バカは死ねとは言いませんが、バカなりに人の迷惑にならないように生きて欲しいものです。
バカが力を持ったらどうなるか、は、某国 (亡国?) のレイムダック政権をみればよくわかりますよね!
(そういえば、彼は以前、子供たちに勉強の大切を説くために「Children“s” Do Learn」(苦笑) と言ってました。
それを聞いたニュースキャスターにすかさず 「Do“es” they」と言われてましたけど(笑)

  • 2008/01/14(月) 11:42:04 |
  • URL |
  • hirobot #ro9iPsMo
  • [ 編集]

●非公開コメントを下さった方へ
ご意見及びご助言、ありがとうございます。
少しずつでも考えながら何かしていくしかないのだろうと思っていますので、これからも宜しくお願いします。

●野浜波直さん、
こんにちは。何とか帰ってきました。
「ひんしゅくは買っても迷惑は掛けない」とは、また微妙な線ですね。
確かに、ひんしゅくを買うのは本人だけの問題、迷惑を掛けないのは原則、ということでしょうか。
どこに行き着けば良いのか、考えると疲れます。

●Leginさん、
初めまして。
寒い地域からようこそ!でしょうか?

>度胸ありますね。.....下手をすれば逆ギレされますからね・・・。
ハイ、我ながら馬鹿だとは思ってます。
敢えて言えば、海外に出ている時の日本人、特に集団で騒いでいるような若者は実はものすごく脆弱、ちょっとつつけばすぐにオロオロして終わる、という感覚を(本当かどうかは別にして)積んできている気がします。
まぁ、この場合は、彼ら自体が集団でいること(日本人は自らの集団の中での「目」は気にしますから)、及び余り役に立っていなかったとは言え引率のいる状況だったこと、などが、私の側としては強気になれる状況だった訳でもあります。
それでも、通常でしたらせいぜい「静かにしてくれませんか」までで放っておくのですが....最後は、大人の対応を見て我慢が切れた、というのが本音です。

>私は、ある意味諦めています。道徳を教科化することもままならないようでは、お話になりません。
これは思いますね。
教える教師も今のような状況では、教科化しても教えようが無いかとも思ったりして、私も諦めた気分でいました。
ただ今回のひどさを見て、これを諦めていたのでは、これから先、余りに惨めな日本を見ることになるのでは、なんて本気で心配になって来ています。
思い詰めても仕方ないので、今まで通りの暮らしをしつつも、何か少しずつでも考えたいところです。
内容がいろいろなblogですが、宜しくお付き合い下さい。

●hirobotさん、
ご主旨は同意いたします。
表現の過激さは、ちょっと怖いので、割り引いて読ませていただいていますが....(笑)。

やはり、こうやって腹が立ったり、「違う!」と思ったりした時に、放っておくだけではいけないと思い始めています。
20年後に、日本が周辺諸国からの協力を得なければいけない時が来たとしたら、こんな「周りの状況を読むことすら出来ず」、「適切な理論武装も対応も出来ない」ような人間ばかりが中枢を担っていたら、ろくな交渉もできない、とてつもなく馬鹿な対応しかできない、と思うと怖いんですよ。
急に社会意識が芽生えた、と言われそうですが。

Childrens do learnのおじさまの話、あれでも大統領になれる、というのは、今回の若者の態度への追い風(=考えていなくても、あそこまでなれる!)とも位置づけられかも?....てな訳はないですが。あの方の文法もひどいようですからねぇ。

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